鏡餅
2005年 12月 31日
何年か前の正月明けの鏡開きのの日、夫が鏡餅いらないか?と聞いてきた。
夫の勤める会社で飾っていた鏡餅を要らないかということだった。その頃は今と違ってあんまり餅に執着してなかったので、「切るの面倒だから~」と断った。
それでも、貰い手がないからと夫が持って帰ってきた。
その鏡餅を見て仰天。滅茶苦茶大きい。今まで見たことのない大きさだった。大きいほうは直径50センチはあった。重さは10キロは優に超えていたと思う。
よくぞ、通勤時間1時間半の混みこみ通勤列車に乗って持って帰れたもんだと感心した。
夫も何気ない顔して本当は欲深い男ではないかとその時思った。
「これ買ったら1万はするんだぜ」と言って「誰もが要らんといって・・・捨てるの勿体ない」
まぁ、それはそれとして貰ってきたからには食べるしかない。
とにかく小さく切るしかない。
それは想像をはるかに超えた力仕事だった。硬いカボチャを切るよりつらく悲しい作業だった。
手には包丁の跡が赤く残った。
その時、
おっとぉぉぉぉぉーーーー包丁持つ手が滑ったぁぁぁぁぁーーーーぁぁぁぁぁーーーひぃぃぃーー
左手の動脈の上に包丁がぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いたぁーーい!
だが、どうしたことか血は出なかった。手も切れていなかった。
しかし、腕にあのアレと間違いそうな傷跡がついた。
それは悲しいアレではなく、偉大なる餅切りの証拠としてついたものだった。
それ以後、鏡餅は貰っていない。
by udonn418
| 2005-12-31 14:14